見返しではたくさんのおたまじゃくしが泳いでいるのに、本編が始まってすぐ、4個を残してすべての蛙の卵が魚に食べられてしまうのに驚かされる。
残された4個の卵から孵った蛙たちは、それからも、ときに天敵から逃げ、ときには逆に誰かの天敵となって暮らす。食物連鎖の厳しさの中で、いつでも楽しそうに泳ぐ蛙たちの姿が印象的。
そして夏の暗い夜にだけ、蛙たちが、他の動物たちと声を合わせ歌を歌う場面は、それまでの自然の描写から距離を取りつつ、とても絵本らしい見せ場を静かに形作っている。
伸び伸びとした蛙たちの四肢の色や動きが、デフォルメされていながらも、生き物の躍動感や美しさを感じさせる絵本。
なお作者名については、90刷以降は原音に近い「ジュリエット・ケペシュ」表記。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
絵本
- 感想投稿日 : 2019年2月2日
- 読了日 : 2019年2月2日
- 本棚登録日 : 2019年2月2日
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