いくらでも戦争を回避する機会と手段はあったはずなのだが、それがことごとく失われていく過程は、読んでいてかなり空しいものがある。
陸軍参謀本部の好戦的雰囲気にも嫌気が差すが、終始煮え切らない態度を取り続けた海軍にも腹立たしさを感じる。
詰まるところは、明治憲法下での国の政策決定のあり方が決定的であったということか。
膨大な資料にあたって、精密に論を進めようとしたことはわかるが、もう少し焦点を絞って、筆者の考える「なぜ開戦に踏み切ったか」ということを論じた方がよかったのではないか。いささか論述に煩雑な感を禁じ得なかった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2016年12月13日
- 読了日 : 2016年12月13日
- 本棚登録日 : 2016年12月13日
みんなの感想をみる