レオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵するほど広範にわたって知識や技術を有した[p4]17世紀欧州の学者アタナシウス・キルヒャーを日本語で知ることができる数少ない本の一つ。彼自身は、デカルト以後の近代的合理主義の台頭によって忘れ去られてしまうが、多様化の現代でこそ再評価すべきだといえるし、ひと昔前のような抵抗は少ないだろう。
確かにキリスト教的な考え方、信仰を絶対視して揺るぎないが、その視点で世界を捉えたらこうなるというワケノワカラなさが魅力。幻想性などともいえるのだろうが、キルヒャー本人は真剣にやっていたはず。だからこその魅力だろう。
キリスト教関連の図版より(ウンザリする)、それ以外、中国や地下世界が良かった。偏った見方などとはおもわず、真剣にやってまとめた結果として現実からかけはなれるこの魅力は、現代では宇宙人を想像するような作業だろうか?
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
美術
- 感想投稿日 : 2013年5月19日
- 読了日 : 2013年5月19日
- 本棚登録日 : 2013年4月23日
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