日本人の美徳 誇りある日本人になろう (宝島社新書 262)

著者 :
  • 宝島社 (2008年2月9日発売)
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本棚登録 : 257
感想 : 29
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テレビで櫻井さんを拝見すると、
知識の深さ、相手の意見をまずは聞く冷静さ、
主張するべきことを分かりやすく伝える能力に感嘆する。

著書を読むのは初めてだったが、文章もさすが、読みやすかった。

ただ、若者向けに書いた本なのか、櫻井さんにしては易しい文章で、あまり突っ込んだ内容が出なかったのが残念。

興味深かったことの1つに「卑弥呼」という呼称の解説があった。
卑弥呼は「卑しい弥と呼ぶ」と書く。おかしくないか?と。
名前の由来は諸説あるが、当時は中国という大国が背後で支えていて、商人が日本へ来た時、貿易を取り仕切っていた女親分がいた。
その彼女を中国人は卑弥呼と呼んで家来のように扱っていた、とも言えると。

言われてみて初めて、卑弥呼という漢字は差別的であると気づく。
そこから中国と日本は対等な関係ではなかったと分かる。
だから聖徳太子は常に対等な立場で外交をするよう努め、成功もした。
また聖徳太子は宗教においても業績を残す。
日本古来の宗教=神道と新しく広まった仏教、両方とも受け入れたのだ。
「新しい宗教を受け入れるが、それは枝と葉っぱであって、神道は幹だ」という教えとともに。
宗教の問題は海外では戦争にもなる問題。
そういった歴史から日本人は穏やかで寛容だけれど、その中に自立心や誇りを持っていたことが分かる、と。

それを我々現代の日本人は知る必要がある、受け継ぐべき、という考えは私も大いに賛成することだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス、エッセイ
感想投稿日 : 2012年6月30日
読了日 : 2012年6月30日
本棚登録日 : 2012年6月30日

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