学校、学年、バイト先と、互いの世界が重なったり重ならなかったりする中で繰り広げられる登場人物たちの多層的な人間関係が本作の肝と言える。作品に登場する「制服」の種類の多さがそれを物語っているように思える。
繊細に描かれたファンシーな風景の中で繰り広げられる、少し変わった日常風景は愛らしく、ずっと眺めていられるほどである。
少し読み込んでいくと、登場人物それぞれの抱える、必ずしも幸福と言い切れない過去や現在が示唆されていることがわかるのだが、そういったある種の「翳り」を包み込む、さまざまな形の優しさが物語には込められている。
多くの人の心を惹きつけて止まない「ごちうさ」こと本作は、表層的な「かわいさ」だけに留まらない深い作品である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2016年1月19日
- 読了日 : 2016年1月19日
- 本棚登録日 : 2016年1月19日
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