ゴーマニズム宣言SPECIAL 新天皇論

  • 小学館 (2010年12月15日発売)
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チェック項目13箇所。陛下のお言葉はたとえ形式的に見えても、言霊が宿っている、印象的だったのは、お言葉の最中、皇后陛下が天皇陛下の方に身体を向けて、拝聴しておられたことだ、天皇は一般家庭のように配偶者と同格ではない、やはり天皇はこの国でたった一人、まったく特別な公的存在なのである。橋本明なる者は「高い徳を養ってこそ天皇」と言う、皇太子に「徳」がないから、「廃太子」せよと言う、これは「徳のない君主は、天命によって交代させるべきである。皇帝の姓を易えるべきである」というシナの「易姓革命」の思想である。庶民の伊勢神宮参拝が盛んになり始めたのは戦国時代で、江戸時代には「お伊勢参り」は誰もが一生に一度はしたいあこがれとなり、全国人口が3000万の時代に毎年50万人、全人口の60人に1人が参宮した。江戸時代の「庶民」の大部分は百姓だった、何しろ当時の日本人の8割以上を占めていたのだ、江戸時代は従来思われていたほど激しい身分社会ではなく、武士が百姓や町人になったり、逆に百姓が武士に取り立てられたりすることはよくあった。「百姓」とは元々は「百(たくさん)の姓」であり、天皇から「姓」を与えられた公民の総称である、皇室に入るということは、国民ではなくなるということだ、正田や小和田のような「苗字」を失ってしまう。秋篠宮殿下より下の若い世代の皇族は、悠仁親王殿下以外には現在8人、全員、女性である、現在の典範では、女性皇族が皇族以外の男性と結婚すると、皇族の身分を離れ、民間人にならなければならない、このままでは悠仁親王が成人される頃には、若い皇族方は全て結婚して民間人になられ、次世代の皇族が悠仁親王殿下ただ一人になられてしまうわけだ! 「4世子孫」が皇位を継いだ例は一つもなく、あとは全て「3世」以内である、どんなに傍系に移しても、曾孫以上に離れたことは、「5世」の継体天皇1例しかない。古代の天皇は男系の血筋だけでなく、女系の血筋も尊重されていた、特にこれらの場合は、男系の血筋の不足を女系の血筋で「格上げ」することで、やっと皇位に就くことができた。明治天皇も、大正天皇も、側室の子である、その後に昭和天皇、今上天皇、皇太子殿下と3代も嫡男が続いたのは異例の幸運であり、逆に女子ばかり続くことだって当然起こる、現にその後は41年間、9人連続で女子しか誕生しなかった。男系継承に価値を置くのなら、天皇の系譜は孔子の家系図に完全に負ける、なぜなら日本の皇統には、8人10代も女帝が入っているからだ(孔子の家系図は、現在に至るまで完全な男系男子継承で貫かれている)。姓と苗字は違う……毛利輝元は「大江輝元」、前田利家は「菅原利家」、織田信長は「藤原信長」と名乗った(信長は後に「平」も名乗る)、同様に徳川家康は「源家康」である、もっと正式な場では、平安時代以降省略されることが多かった「カバネ」の「朝臣」も加えて、「源朝臣家康」となった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の真実
感想投稿日 : 2013年7月23日
読了日 : 2013年7月16日
本棚登録日 : 2013年7月16日

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