腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

著者 :
  • 講談社 (2005年6月30日発売)
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 2004年11月10日~14日「劇団、本谷有希子」第8回公演「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」@青山円形劇場の後に発行された小説です。
 2004年の公演は未見ですが、昨年9月にNHK-BS2で放映されたときに、エアチェックしていました。
 公演の「腑抜けども・・・」、小説の「腑抜けども・・・」、それぞれに独立の作品、別物として、それぞれに魅力があることが分かります。
 また、小説を読んだ後に、再度、公演を観てみると、初見の時とは違う観方ができました。

ストーリー 
 うだるような夏の暑さに閉じ込められた山間の集落、赤戸前村。
 ここで一組の中年夫婦が道路へ飛び出した猫を庇い、ダンプに轢かれ死亡した……。両親の訃報を受け、東京から六年のあいだ音信不通だった長女が和合家へと帰って来る。
 「あんた、本当は二人が死んだことも漫画のネタになると思って喜んでるんでしょ?」
 おびえる次女にそう微笑む長女。困惑する新妻の待子が夫の穴道から厳守するよう誓わされた一家の掟は次の三つだった。

 『一つ、長女の澄伽には何があっても逆らってはいけない』
 『一つ、次女の清深には決して心を許してはいけない』
 『一つ、長男の穴道に一切の恋愛感情を抱いてはいけない』

 やがて自由にふるまう澄伽によって、和合家の日常は大きく歪み始める。
 それぞれの思惑が交錯し、空回り、事態は一層の泥沼へと嵌まり込んでいき───。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年7月2日
読了日 : 2007年6月6日
本棚登録日 : 2007年6月2日

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