古本屋でたまたま目につき、教団Xで聞いたことある作家さんだし、買ってみるかくらいの気持ちで購入した一冊。結果的にとても刺さった。村上龍とか筒井康隆とか重くてバイオレンスで漢臭くて繊細な感じが好みなのでタイプだった。
内省の描写は細かくて、「私」からみた世界でしか描かれていないのでのめりこんでしまうような気がした。不感症の白湯子とのセックスのあと「私のセックスが終わると~」とか、わざとビルから転落したときの「なぜああいう行動を取ろうとしたのか。いや、その理由もわかっていたし~」とかとにかく主観的で、考えが二転三転するのも人間だなと思う。境遇が似ているわけでもなんでもないけど、細かく共感できる表現が多かった。土の中の子供の「私」は不幸に恵まれすぎてないか??と思ったが、こういう人生もあるのだろうか。。フィクションの世界であってほしい。
これから中村文則の作品色々と読んでみたい。本作で何度か出てきて、ポイントと感じた箇所は以下。
土の中の子供:(暴力、痛み、落下は)始まったら止まらない。決定した事柄をただ待つだけ。
蜘蛛の声:隠れているという状態、その行為が、たまらなく快感だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年11月3日
- 読了日 : 2023年11月2日
- 本棚登録日 : 2023年11月3日
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