シュレディンガ-の哲学する猫 (中公文庫 た 77-1)

  • 中央公論新社 (2008年11月25日発売)
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福岡旅行の際にふらっと寄った古本屋で購入した一冊。私が持っているのは徳間書店のもので、帯に筒井康隆のコメントがあり思わず手に取った。著者の本は始めて読んだけれど、【科学哲学者】という文理融合した理解があるからこそ科学の哲学のようなものを感じた。個人的にも無限とか稠密性と量子力学とか数学・物理は突き詰めていくと考え方次第=哲学っぽいなあと思うことがあったので何となく共感できた。

最近の哲学を知りたいとっかかりはキルケゴール・現象学から来ていたので、ニーチェ、フッサール、ハイデガーと聞きたい名前に出会えたことはもちろん、薄くではあるけど有名な思想に触れられてよかった。シュレ猫とのやり取りも心地いい。引き続きまずは哲学全体に触れていきたい。あと量子力学。
もっと自分に落とし込む必要がありそう。

以下キーワード。
・シュレディンガーの猫:量子力学における「観測するまで物事の状態は確定しない」ことを量子の世界から現実世界で表現するために考えられた思考実験
・ウィトゲンシュタイン:言語活動は言語ゲーム(話の中で変化していく)、言語=思考、語り得ぬものは沈黙すべき、言語の限界は世界の限界
・サルトル:「君は自由だ、選びたまえ。創りたまえ」実存主義、実存が本質に先立つ。
・ニーチェ:ツァラトゥストラはこう言った。神は死んだ、永劫回帰、ディオニソス的・アポロン的
・プラトン:プラトニック、肉体関係のない精神的な恋愛(同性愛)
・ソクラテス:魔性の哲学、ダイモン(Demon)
・レイチェル・カーソン:沈黙の春、環境の哲学、センス・オブ・ワンダー(不思議さに驚く感性)
・サン=テグジュペリ:飛行家で小説家、星の王子様
・ファイヤアーベント:文化的相対主義、化学は宗教、アナーキズム、方法への挑戦、Anything goes
・廣松渉(ひろまつわたる):四肢構造、所与・所識・能知、能識
・フッサール:現象学、エポケー、括弧に入れる(判断停止、自然的立場の一時的中段)
・ハイデガー:存在と時間、現存在、死、世界との関わり
・小林秀雄:理論物理学的思考、ベルクソン
・大森荘蔵:文系と理系の相互理解が必要。科学理論がすべてじゃない、オカルトは誤謬ではない

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月29日
読了日 : 2024年4月28日
本棚登録日 : 2024年4月29日

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