赤い指

著者 :
  • 講談社 (2006年7月25日発売)
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本棚登録 : 5137
感想 : 796
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加賀恭一郎シリーズ7作品目。

少女が庭で死んでいる。殺したのは中3の一人息子だった。

夫の前原昭夫、その実母、実母と険悪な妻、息子の4人暮らしの平凡な家庭。
家は妻に任せ切りで息子と関わりあう事も避けてきた昭夫。
殺人について問い詰めても癇癪を起こすだけの息子。
息子の将来を考えて!
と妻にせがまれどうにか隠蔽することに。。。

早々に息子が殺したことが判明します。
夫である昭夫が隠蔽のため行動を起こしますが
息子は協力するどころか
子供の過ちは親の責任だと言い放ち
そっちで何とかしてくれと我関せず。
(親に対する口のききかたとその態度はなんや!!!とぶっ叩いてやりたくなりました。私が実家でそんな態度を取ったら生きて家を出れる保証はない。)

どんな育て方をしたらこんなモンスターが出来上がるのか。
と、同時に、こんな親元に生まれたのを可哀想に思います。
最近の言葉を借りるのであれば親ガチャ失敗です。
大切に護ることだけが親の役目ではないはず、
導き、時には厳しく、痛みをわからせることも必要でしょう。
そしてこんな子どもには大人の怖さも教えてあげて欲しい。

終始、読んでいてモヤモヤ。
東野圭吾さんの作品なので家族愛も散りばめられていて
やっぱり東野圭吾さんだなと思わせられるのだけど
新参者以降ほどの加賀恭一郎の魅力はなかった。。

いつも穏やかな加賀刑事が松宮に
この馬鹿ガキを連れて行けと投げ飛ばすのが唯一の救いでした。


加賀恭一郎シリーズは新参者からしか読んでいなかったので
こちらでも加賀恭一郎親子について触れられているとは!
10年振りに再開した加賀恭一郎と松宮の距離感も見事です。

ちゃんとさかのぼってシリーズを読めばよかったと後悔。。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月15日
読了日 : 2023年3月15日
本棚登録日 : 2023年3月9日

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