異邦人 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1963年7月2日発売)
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L'Etranger(1942年、仏)。
常識も道徳も信仰心も、社会と摩擦を起こさずに生きてゆくため、長い年月をかけて人々が作り上げてきた処世術である。それらは生活の知恵ではあるが、同時に欺瞞であり、枷でもある。真理に到達するためには、その枷を一度は外さなければならない。しかし、共同体の維持を優先する者(=圧倒的多数派)にとっては、それは社会の存続を危うくする行為であり、葛藤のない人生を脅かす許しがたい罪である。ゆえに真理を優先する者は、異端者(=異邦人)と呼ばれ、往々にして迫害される。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学(フランス)
感想投稿日 : 2009年7月6日
読了日 : 2009年7月6日
本棚登録日 : 2009年7月6日

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コメント 1件

円軌道の外さんのコメント
2015/06/19


佐藤史緒さん、こんばんは。
お久しぶりです!
お気に入りポチと嬉しいコメントありがとうございます!

カミュの『異邦人』は確か16歳で読んだのですが、
太陽が眩しいから殺人を犯したというワケのわからなさ、不条理なストーリーが
青臭さかった思春期の自分にはかなりの衝撃で、
いまでも自分の内側に刺さり抜けない一冊となってます。

今の時代って小説の世界以外でも
圧倒的にシンパシーの時代ですよね。
共感できるものしか愛されないし認めないし、
共感を強制するような音楽や映画や物語が増えてるような気がします。

少なくとも僕が青春期の頃までは、「誰も見たことがないものを見たい」とか、
「自分がそれを最初にやる」というようなワンダーの価値が大きかったと思うけど、
それがここまで値崩れしたのがショックで(笑)

「見たことがない、聴いたことがない」ものへの憧れって、どこに行っちゃったのかなって思います。

カミュの作品のように分からなくても確実に
胸に刺さって抜けないものって昔は沢山あったし、
分からないから駄作だとか、
分からないから支持しないという今の時代の考えは
なんか不安に思っちゃいます(^^;)

とりとめないことダラダラと書いてしまいましたが(汗)、
僕の本棚の『生きるために人は夢を見る』にも返事書いているので、
お暇な時間にでも覗いて見てくれたらと思います。

ではでは良い週末をお過ごしください。


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