百年の孤独: Obras de Garci´a Ma´rquez1967 (Obra de Garc´ia M´arquez)

  • 新潮社 (2006年12月20日発売)
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Cien anos de soledad(1967年、コロンビア)。
内容もさることながら、キャラが強烈に濃い。途方もない巨根を持つ男、予知能力を持つ大佐、土をむさぼり喰う少女、空中浮遊する神父、生きたまま昇天する絶世の美女など、個性溢れるにもほどがあるというか、ほとんどびっくり人間コンテストの様相を呈している。また、人が生まれたり、死んだり、死んで生き返ってまた死んだり、死んだのにその辺をうろうろしていたりと、とにかく忙しい。

天才には違いないのだが生活にはまったく役に立たない能力ばかり開花させている初代ホセ・アルカディオ・ブエンディアと、肝っ玉母さんウルスラのコンビが、南米版「夫婦善哉」みたいで好きだ。だから、話の進行上しかたがないとはいえ、ウルスラの衰えとともに物語もトーンダウンしてしまうのが少し残念。

それでも、とてつもない奇想天外さは最後まで変わらない。恋人たちが激しく愛し合うあまり家が崩壊してしまうなど、「ありえんだろー!」という突っこみ所が最後まで満載。本当は哀愁を感じるべき物語なのかもしれないが、あまりにも疾風怒濤なエピソードに圧倒されて、読了後は哀しみを通りこして唖然としてしまった。まさに魔術的読後感。脈絡とか善悪とかリアリティとか、そんなものは完全に超越している。南米文学、恐るべし。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学(その他)
感想投稿日 : 2011年12月30日
読了日 : 2011年12月28日
本棚登録日 : 2011年12月21日

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