きみが好きだった

著者 :
  • 徳間書店 (2013年2月27日発売)
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本棚登録 : 268
感想 : 17
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前半の攻視点は非常に好み。複雑な家庭環境を抱える従兄の恋人である受への片想い。受に不誠実な態度をとる従兄に対する怒りや、従兄と同じく家庭環境に恵まれずそれゆえに我慢してしまう受への想い。そこに、円満な家庭に身を置いている自分へのコンプレックスが重なり、切なさと若さの苦みがしっかり描かれているところは、さすが凪良さん。切なさを堪能しました。その後半、受視点に移ってからは、よくある再会ものの枠を外れない展開になり、前半の切なさが上手く作用しなかったような。あとがきでの従兄を評した『笑いながら高いところから飛び降りる…』にぜひ従兄の話を書いて欲しいと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL
感想投稿日 : 2017年4月1日
読了日 : 2017年4月1日
本棚登録日 : 2017年2月7日

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