永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)

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  • 光文社 (2006年9月20日発売)
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【要約】
「なぜ人は争うのか?」との問いに対し、カント曰く...

人類にとって、争うことは自然なことであり、他者への攻撃性は人類の本性の一部でもあるからだ。それ故に、平和は創り出す必要がある。というよりも、人類は「自然の意図」によって、理性による平和な共同体を創るよう(つまりは進歩するよう)に方向づけされている

自然状態では、人は争う(可能性を孕む)自己の生命・身体・財産が危険にさらされる。それを防ぐために、人はその意思により、国家を作り、法によって対立を抑えるようになる。国家間の場合においても、諸国家の連合という形で法による対立抑止を施行する。その際「共和制」が国内・国際両方において、平和な社会が築かれやすい。ここでいう共和制とは、立法権と行政権とが分離されており、個人の自由(同意した法にのみ従い、それ以外は自由)、平等(方は平等かつ例外なく適用)、法への従属、という特徴を持つ。共和制では、戦争のリスク・ネガティブリターンを合理的に判断し、争いを回避する

※ 世界市民法と「歓待の権利」に対する理解は曖昧。商業は平和に資する。

理性・道徳に関する直線的な「進歩」の概念にはまだちょっと違和感がある

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年6月29日
読了日 : 2021年6月29日
本棚登録日 : 2021年6月29日

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