いまさらながら、Makers The new industrial revolution読了。発売当初は「3Dプリンタが21世紀の産業革命だって?そんなに影響度ないだろ」とスルーしていたが、ここ数年で3Dプリンタも精度アップとコストダウンしてきており、やっぱり欲しいなあと思いなおして、読み始めた。3Dプリンタの本かと思っていたが、必ずしもそれだけの本ではなく、モノづくりのデジタル化・デスクトップ化・オンライン化の潮流について解説した本だといえる。この潮流は2020年でもまさに進展していて、中東では3Dプリンタで作る住宅も出始めているし(ずいぶん前かも)、職場でも所有している部署が出てきているし、活用している人も増えてきた。家庭用のものを持っている人もちらほら聞く。流行りの(?)デザイン思考のプロトタイプ製作でも活躍することが多いだろう。2012年当時でもすでに起きていた潮流とはいえ、書いてある通りにある程度未来が進行しているという意味では、しっかりした本だと思う。
しかし読みながら、「これを紙の本で読んでる俺ダサくね?」と思うこと数多(あまた)。
以下引用。
P32 つまり、メイカームーブメントには、三つの大きな特徴がある。その三つのすべてが、これまでとは違う、新しい流れだと僕は考えている。
1 デスクトップのデジタル工作機械を使って、モノをデザインし、試作すること(デジタルDIY)。
2 それらのデザインをオンラインのコミュニティで当たり前に共有し、仲間と協力すること。
3 デザインファイルが標準化されたこと。おかげで誰でも自分のデザインを製造業者に送り、欲しい数だけ作ってもらうことができる。また自宅でも、家庭用のツールで手軽に製造できる。これが、発案から起業への道のりを劇的に縮めた。まさに、ソフトウェア、情報、コンテンツの分野でウェブが果たしたのと同じことがここで起きている。
p32 世界中のガレージ職人よ、立ち上がれ!
p83 つまり、人間は、二十世紀の市場が思っていたよりずっと多様だったのだ。
p85 才能さえあれば、だれにでも、どんなものでも作れるようになった。
p85 「これは、アマチュアのルネッサンスなのだ」
p95 アトムが新たなビットになるのには、要するに、アトムがビットのごとく振舞えるように作られるようになったからだ。
p108 デスクトップ工房 四種の神器 3Dプリンタ CNC装置 レーザーカッター 3Dスキャナー
p288 僕らは今、世界を再びフラット化しつつある。だが、その次元は依然とは違う。オートメーションのおかげで、製造業に占める人件費の割合はほんの小さなものになっている。電子機器の場合は、ほんの数パーセントといったところだ。そうなると、輸送費や時間といったほかの要素がより重要になってくる。
- 感想投稿日 : 2020年3月22日
- 読了日 : 2020年3月22日
- 本棚登録日 : 2020年2月24日
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