いねむり先生 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2013年8月21日発売)
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本棚登録 : 441
感想 : 49
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TV番組「林先生の初耳学」で伊集院静氏と林先生の対談企画を視聴したのがきっかけでした。伊集院氏は「若くして奥さんを亡くした人は多い、どうも世の中はそういうものらしい」とお話されていました。潔い諦めの言葉、力強い目で語られていたように感じました。悲しくなって、氏の本を図書館で借りて読みました。

10代の頃に読んだときは「描写が少なくて想像しづらい。」と思って挫折した氏の本でしたが、30代の今はところどころの描写の少なさが悲しみを助長しているようで、それでいて悲劇のヒロインぶってなくて「世の中はそういうものらしい」と語りかけてくれる本でした。

麻雀、競輪、賭博の世界を知ろうと思ったことはありませんでした。でも、氏や色川氏の作品は間違いなくそちら側の世界から得た煙のような人間関係や見返りを求めない優しさ、弱さを正直にさらけ出しているのかな。ナルコレプシーや先端恐怖症の知識がなかったので恥ずかしく思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 寂しさ
感想投稿日 : 2022年3月13日
読了日 : 2022年3月13日
本棚登録日 : 2022年3月2日

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