なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2011年7月15日発売)
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本棚登録 : 353
感想 : 55
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途中で読むのが止まっていて、しばらくあいて読み再開したした時には、前半に内容は精細に記憶していたわけではなかったけど、興味深く読んでいたという記憶はあり、ひとまずそのまま読み進めた。

とても面白かった。
試行錯誤の過程での迷いや、経験から導かれた方針や考え方の理由が書いてあって、それも絶対善などと言わず、世の中にいろんな見方がある中で自分はこう考えるということで、共感できる部分もあるし、勉強になる部分もあったし、いろんな発見があった。

SNSのが氾濫する現代社会では、1次情報にあたらずに情報が拡散してあたかも事実かのように信じる人も少なくなく、情報が少量限定的で、分析的でなく、相当に短絡的で未成熟と危惧するところだけれど、ドキュメンタリーは、SNSに比べれば、作者の主張のポジションがあったとしても、特に映像は、伝わる情報量が多く、1次情報に近いのではないかと感じる。(文字のノンフィクションも重要だが、映像に比べると説明的なものは情報が抜けたり読者によって読解自体の差異も映像に比べると生じやすそうな難しさはある。)

ドキュメンタリーを見ると(本や新聞雑誌系のノンフィクションなら「読むと」だが)、掘り下げる題材について詳しく知らなかったことが、なんだか恥ずかしくさえ思うけど、それでも、知らないままこの先も生きていくよりは、今見て知って幅を広げて考えられるようになることの方がはるかに良い、精神衛生上も良いと私は思う。

何より、著者の想田さんのドキュメンタリーは私は見たことが無いので、探して見ようと思うし、他の著書も読んでみたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月9日
読了日 : 2020年8月8日
本棚登録日 : 2019年10月10日

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