赤緑黒白 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2005年11月15日発売)
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5

再読です
死体がスプレーで染められるという、なんとも斬新な事件

最初の被害者は、赤く
名前が赤井寛
二人目は、緑に
名前が田口美登里
三人目は、黒く
名前は、黒田実
四人目は、白く
名前は、山本百合
しかし最後の被害者は、白鳥こずえのはずだった。

事件は、帆山美澪という人気小説家の書いたものに類似していた。
帆山には、室生真弓という突っ慳貧なマネージャーがいる。
帆山が怪しいが、決め手となる証拠がない。
そして、現れるメタナチュラル協会の佐織宗尊(この時点で60歳前後)
四季とかかわりを持つ男だ。
この男も怪しいが、これも決め手がなかった。

黒猫の三角で捕まった殺人犯の秋野秀和が紅子に逢いたいという。
会いにきた紅子に、昔「ホヤマミレイ」というペンネームの女性と文通をしていたことがあると話す。
この女性なら、こういった殺人を犯すだろうと教えられた。
そして、秋野と会った紅子自身が今回の事件について推察する。
こういった事件を起こせるのは、四季と秋野とそして自分しかいないと。
犯人の気持ちが手に取るように解る紅子は、いつものフルメンバーを帆山のマンションに集め先制攻撃の謎解きを始める。
そして起こる、帆山美澪の自殺。
しかしこれは、室生の仕掛けたもの。
犯人は、室生だと紅子は知っていた。
激しい銃撃戦の末、室生を確保。
立松が腹部を打たれ、七夏が怪我を負うも事件は何とか解決した。

余談のようなもう一つの事件。
関根朔太の絵画窃盗は、警察にもたまには頭のいい人間がいたためにある意味失敗に終わっていた。

大学で四季と対面する紅子。
練無の事をすぐに男性だと見破っていたのは、さすが四季。
後半にもう一度大学の図書館で四季に会う。
しかし、会ったのは兄の基志雄の方。
基志雄の妹の四季
赤緑黒白は、春夏秋冬の色を表している。
室生は、何度か四季にあっていて、四季のためにこの事件を犯したという。
四季のためにこの色たちを選んだのだ。
後に細かい事は、四季シリーズで明かされる。

余談だが、林が持ってきた祝儀袋に書かれていた名前を練無たちは読めなかった「何とかに川に林?」
二人の名前といっているが、これは明らかに犀川林でしょう。

翌日、紅子にネルソンを預けて、潮時を感じた保呂草が阿漕荘を出て行く。
そして、このシリーズの完結となる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2011年7月14日
読了日 : 2011年4月27日
本棚登録日 : 2011年4月27日

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