かたみ歌 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年1月29日発売)
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本棚登録 : 2826
感想 : 468
5

東京の下町、アカシア商店街の7話。
僕は朱川さんの紡ぐ、別の物語がちょっとだけつながっている、その構成が好み。③、⑤、⑥、⑦が特にお気に入り。
①紫陽花のころ
初読はそれなりに楽しめたんだがなぁ、なんだかなぁ、そんな結末だったとは。
②夏の落とし文
電柱の貼り紙に自分の未来が予見されていたら。いいお兄ちゃんだな、せつないな。
③栞の恋
ひねりも不思議さもあってとてもいい。結末が意外だったが2読目以降も飽きない。
④おんなごころ
かわいそうだが、悪い作品とは思わない。他の編ではケバい初恵の正気さのためか。
⑤ひかり猫
猫2匹と「私」と古本屋の店主しか登場しないが、朱川さんらしい味わいの短編。
⑥朱鷺色の兆(ときいろのしるし)
おっさんの一人称の語り口。予兆モノはいくつかあるがハッピーエンドで一安心。
⑦枯葉の天使
他の6作全てに登場する幸子書房の店主が実は主役。締め括りとして珠玉の作品。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年8月4日
読了日 : 2021年7月25日
本棚登録日 : 2021年7月25日

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