国家の命運 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社 (2010年10月14日発売)
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良く言われる話であるが、日本は欧米という目標に追いついた後、方向性を見失った。著者の言葉「日本人は、戦後、何はともわれアメリカの言うとおりにしよう。それが間違いの無い道だ。という単純な思考パターンになったのではないか。」 外交の交渉担当のトップでもあった氏は、日本の政治家/官僚は米国の要求をいかに応えるか、のみに神経と思考を巡らし、どのように相手を攻撃(オフェンス)するかの思考が欠けている述べている。
外交に限らず、仕事でも顧客様の要求に如何に応えるかが大事なポイントであることが多い。しかし、この思考パターンは、極めて日本的であるのだろう。ビジネスであれ、外交であれ相互依存関係が必ず成立する。その関係においては、相手を攻撃したところで簡単に関係は崩れるはずはない。交渉の現場では、如何に相手に過大な要求をつきつけ、如何に相手の弱みを攻撃し、どのように味方の強み/功績をアピールするか。 氏の経験談も交えて分かりやすく説明している。 

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感想投稿日 : 2012年1月8日
読了日 : 2012年1月7日
本棚登録日 : 2012年1月8日

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