最初の短編では、「敵」が印象に残った。
医者は公正でなければいけない…とはいえ、こんな不幸なめぐり合わせがあったなら、私なら偏見を持たずにいられるだろうか?
「六号病棟」は、知り合いにあらすじを話したら「ホラー映画のような展開だね」と言われた。確かにありそう。
「退屈な話」自分も女ゆえか、カーチャの苦しみが胸に響いた。とはいえ、私自身の人生はカーチャとは全然違い、少しも起伏のないものだけれど、根本には同じ迷いがある気がする。
主人公のニコライに関しては、最初どれだけ自惚れ屋なのかと思ったけれど、さすが一角の人物だけはあって、批評も鋭く考えも立派。その分、「フィナーレをだいなしにしている」現状が悲しい。
これを29歳で書いたという解説を読んで驚いた。
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- 感想投稿日 : 2011年11月23日
- 読了日 : 2011年11月21日
- 本棚登録日 : 2011年11月23日
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