ヘンな日本美術史

著者 :
  • 祥伝社 (2012年11月1日発売)
3.86
  • (91)
  • (143)
  • (102)
  • (17)
  • (1)
本棚登録 : 1554
感想 : 158
3

私の中では漫画家に近い印象の山口氏。
有名どころの日本画をちょっと変な画にして見せてくれるものと思っていたら、かなり真面目に日本美術を語っていた。
でも視点はやはり山口氏で、紹介される日本画も興味深いものが多く、見慣れた画もそう解説されると見方が変わる。
そういう目で本物を見に行きたくなった。
 鳥瞰図なんて学校や近所をこんな風に描いたら面白いだろうな。夏休みの宿題にでもちびちゃんにやらせてみようかな。
なんて自分でも作ってみたくなる。

「屏風と云うものが置かれた環境を考えたとき、上から照明が当たる事は本来考えられません。昔は天井に照明はありませんから、基本的には昼は窓から、夜は燭台からの横に入ってくる光の下でみたはずです。(略)
これを美術館で体験するには、しゃがんで見るのが一番です。」

「文化と云うのは、それを発生させた事よりも、育てていった事の方が大事と申しますか、その育む行為自体が文化と云うものの実体であるような気がします。」

最後の章では河鍋暁斎、月岡芳年、川村清雄を熱く語る。
じっくり観たくなった。
どこかでやらないかなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:
感想投稿日 : 2013年10月18日
読了日 : 2013年10月22日
本棚登録日 : 2013年4月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする