七姫幻想

著者 :
  • 双葉社 (2006年2月1日発売)
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本棚登録 : 219
感想 : 60
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たなばたの七姫
あきさり姫
朝顔姫
薫(たきもの)姫
糸織姫
蜘蛛(ささがに)姫
梶葉姫
百子姫
にまつわる短編集。
万葉から江戸まで山奥の里と都の物語。

大王に見初められた大后の妹姫。
次期大王に贈る衣装を織る巫女姫。
死を隠された叔母の秘密に迫る少女。
斎王を降りた娟子の周りで起こる事件の真相。
梅壺女御が忘れ去りたい七夕の記憶。
不二原村の年に一度の成人祭の秘密。
同心の妻、志乃が出逢った京の松林の事件。

どれもじっとりと絡みつくような余韻が残る。
寂しく切ない歌物語。
女性の嫉妬、見栄、復讐心、野心、恋慕。
狂気さえも感じられる話もあり、後味は良くないけれど、不思議と最後の歌に吸い込まれていく。
娟子の物語が微笑ましく、不二原のイトが一番不気味。元輔のお話は源氏の本を思い出させて楽しかった。
女の生き方も様々だな。
でもどこか強かで強い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年7月24日
読了日 : 2015年7月24日
本棚登録日 : 2015年7月7日

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