真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒 (ポプラ文庫) (ポプラ文庫 お 7-2)

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  • ポプラ社 (2012年2月3日発売)
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シリーズ2作目
真夜中のパン屋さんへ突然飛び込んできたのは、弘基のモトカノ?
なにやら秘密があるような佳乃さん。
うやむやのまま、パン屋で一緒に暮らすことになる。
清楚で八方美人な彼女はあっという間に看板娘になり、クレさんも魔の手に?斑目さんはゾッコン?
なるほど「恋泥棒」なのね。

すっかり「ブランジェリークレバヤシ」に馴染んだ希実ちゃんの新参者への視線が厳しい。
自分も人のことは言えないと思いつつ、ムカムカもやもやする様子が可愛い。
とにかく佳乃さんには最後まで同情も共感もできず、後半は話に入り込めず。残念。
今回は班目さんの活躍がスーパー。
ファンタジーな恋愛が他人事には思えず、彼には幸せでいて欲しいと切に願う。
多分、自分で幸せを探せる人だとも思うし。

クリスマスのシュトレン、ガレットデロワ、バレンタインのクロワッサンラスク、多賀田のワインのお店。
とにかく美味しそうー!!
パンの奥深さに触れた。
以前、デニッシュを作るキットを自宅で作ったことがあったけど、バターと生地がデロデロになって泣きそうだった。そうか室温から管理してんだ。

弘基の悪夢、クレさんの独白、希実ママの恋バナ、どれも重いけれど、ちょっとづつ前進してる。
そのことにちょっとホッとする。

「間違った傘でもいいと思う。なんの手も差し伸べられない絶望よりはずっといい。お門違いな傘でも、上手く掴んで川から這い上がれる人だっているかも知れないし」
この「だれかの傘」とパン屋さんがふと小公女セーラに甘パンをおまけしてくれたパン屋さんと重なった。
そういうことなのかも。
それなら誰でもちょっとした「傘」を差し出すことができるね。

「未来の約束を、俺はしたんやな。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年4月10日
読了日 : 2014年4月10日
本棚登録日 : 2013年10月22日

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