僕だって君がいなけりゃたぶん。 (バンブーコミックス Qpaコレクション)

著者 :
  • 竹書房 (2016年12月17日発売)
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本棚登録 : 555
感想 : 18
5

俺様真面目素直大学生×陰キャ美人大学生。
受けも攻めも真面目で素直で勉強好きで変人という、陽キャ陰キャ以外は似た者同士。二人とも好きなものは好き、嫌なものは嫌とはっきり言うので見ていてイライラしないところがまず高得点です。

攻めのレオがかなり変わってます。小学生の頃からフニャ○ン好きという確たる性癖を持っていて、いじめられてパンツを脱がされた受けの下半身に興奮して俺のものにする宣言をするというショタ時代からのアクセル全開っぷり。興奮したら所構わず受けを襲う俺様でもあるけれど、しかし性癖以外は至って常識人。親の言いつけを大学生になっても守り続けるくらい素直と、変わっているというか不思議で絶妙なキャラクターをしています。最初は変わった思考回路だなぁ程度の印象でしたが、読み進めていく内に受けと一緒になって「可愛い、なんて可愛いんだ…!」とどっぷりハマッてしまいました。
分類としては俺様なのですが、俺様というよりは無邪気なやんちゃ坊主に近いところがあり、我儘というほどでもなく根幹が素直で真面目なので、なかなかに独特の魅力があって本当に可愛い。

受けのシオンはコミュ障故に小学校から高校までずっといじめられてきた生粋の陰キャです。しかしメンタルは強いです。小学校でカースト上位だったレオがいじめグループにシオンは俺のもの宣言をし、実質助けられて以来レオにゾッコンになり、中高でもレオ以外どうでもよくていじめが気にならなくなった程度にはややずれた強メンタル。いじめに対抗すべく空手を習ったことで物理的にも強い。本気を出せばレオを押し倒せるほど強い。しかしレオに好き勝手されるのが好きなのでリバには絶対にならない。陰キャだけどレオに交友関係を広げるよう言われたら器用にガンガン世界を広げることもできる。しっかり自立しているけれど自分の意思で攻めに従順な受けが素晴らしい。

レオもシオンも素直なのですれ違いなど起こりそうにありませんが、本の半分は恋人であることをレオに否定されて悩むシオンがメインになります。悩むといってもうじうじすることはありません。冷静に現状を分析し、レオ本人に確認を取り、レオ独特の思考回路が原因であることを理解し、最後は身体で恋人であることをわからせます。はい、シオンもかなり愉快な思考回路をしています。最高なカップルです。

本の後半はシオンの交友関係が広がることに嫉妬するレオと、シオンの悩みを聞き出そうとがんばるレオの話です。嫉妬しても交友関係を広げるように言ったのは自分だからと極限まで我慢する真面目なレオがそれはもう可愛い。我慢の限界がきたら嫉妬しているとシオンに訴え、レオは特別だから不安になることはないとシオンは言葉で宥め、存分にイチャイチャして最後は円満に解決します。二人とも積極的に好意を伝えるので問題が起きても拗れずスピーディに解決するのがとても良いです。
シオンの悩みを聞き出すレオのイケメンさがすごい。食べ物と色気で釣る姿がめちゃくちゃセクシー。大人になりきれていないと自覚しているようですが、包容力はばっちりあると思います。少し押されたらシオンも抱えていたものを吐き出してちゃんと謝ったので、この二人は末永くうまくやっていけそうな安定感抜群です。

描き下ろしは定番の温泉でイチャイチャです。一組のカップルが丸々一冊、しかもけっこうなボリュームがあるので満足と幸福で満たされました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL漫画
感想投稿日 : 2020年5月6日
読了日 : 2020年5月6日
本棚登録日 : 2020年5月6日

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