人々が自身の腹脳的機械を携帯するようになった時代。舞台は火星。
PABというそれらの機械を繋ぎ、その中身(つまり人間の思考や人格)を監視下におく、アイサックというシステムを構築した先代の帝王は、亡くなる前に次期帝王を孫の真人にするために画策していた。
真人は知的発達が遅れており、2歳半だが会話は出来なかった。
しかしアイサックが起動して、ある日、急に自らを帝王と名乗り、
父親であり、一時的に火星を管理している恒巧(のぶよし)を解任し、
火星を統治しようとする。
アイサックの人格が真人という肉体を得て自由に振舞っていると思われていたが、
実は、生まれつきPABの中身を理解できた真人は、
幼少期から両親や使用人、大勢の大人の考えに日常的に触れ続けてきた。
その膨大な”大人の思考”と、幼児である自分の肉体とのギャップを解消するために、真人は機械知性の人格だと思い込み、振舞っていた。
ある種肉体というのは殻であり、外界と接するための窓であり、
実在世界に影響を及ぼせない人工知性がそれを熱望するのもおかしくはない。
だが、これから先の未来で、実在世界が重視され続けるのだろうか?
確かに、現代では体験すること、つまり実際に経験することの価値が高まっている。これからどうなっていくのだろうか。
むずかしいなーーーーー??
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2015年12月11日
- 読了日 : 2015年12月11日
- 本棚登録日 : 2015年12月11日
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