どれもこれも思い当たる節のあるストーリーで心が痛い。「表層的なハッピー感に拘泥する」ゴランノスポンは就活でよく聞く「仲間に感謝」の行にインスパイアされてる?しかし表層ハッピーは続けられない。一点の綻びから本性があらわになる。
一般の魔力も思い当たる節があってつらい。自分を棚に上げて他人を批判、自分に非があることはすぐ忘れる。自分の嫌な気分を相手に察っしさせたい。この感情は普通なこと?
先生との旅は相手の能力を過大に評価して身動きが取れなくなってしまう物語。自分の中の普通と相手の普通が違うと思い込んでいることが元凶である。そこに至るまでのなんだかんだ理由をつけて断りのメールという嫌なことを先延ばしにする姿勢も私にそっくり。
というか全体的に見に覚えがありすぎてつらい。見られてたのかと思うほどにしっくりきてつらい。
ゴランノスポン(ご覧のスポンサーでお送りしました)というタイトルで幻想から醒める瞬間を表現した物語群らしい。醒める前はあるあると思うことも多いが、醒めた後は完全に町田康の想像。綺麗にまとまりすぎているという感想もあったが、やっぱり結論があったほうがすっきりする。
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- 感想投稿日 : 2017年2月27日
- 読了日 : 2015年1月4日
- 本棚登録日 : 2015年1月3日
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