今作は彼女の他の歴史漫画(「天上の虹」「女帝の手記」など)と比べて、明らかに主人公のキャラが立っている。
というか、長屋王が清廉潔白、頭脳明晰、情熱的で優しい夫という、すさまじいスーパーマンとして描かれている。これが肝。まあ、歴史解釈は自由なんですが。
また、彼女の他の歴史漫画と比べ、比較的短い期間を十分なページ数を取って描けている。そのせいか、正妻の吉備皇女・側室の藤原長娥子・元明天皇・氷高内親王(後の元正天皇)という味方のサブキャラはもちろん、藤原不比等・藤原房前・首皇子(後の聖武天皇)という敵サイドのサブキャラもしっかりとしたキャラクターとして描かれている。
これら、キャラクターの描き方の深さがこの作品に大きな魅力をもたらしている。
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- 感想投稿日 : 2006年5月31日
- 本棚登録日 : 2006年5月31日
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