花ざかりの森・憂国―自選短編集 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1968年9月17日発売)
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「詩を書く少年」「海と夕焼」のためだけに星をひとつプラスした。三島氏が解説で自ら書いている通り、かれの作品の中では初期にあたる、『表現の若い』作品群なのだろうと思う(併読している『豊饒の海』から鑑みるに)。ただ短編というのは一行一語一句に意味や警句を込めた表現の凝縮(アフォリズムという横文字はどうも私に馴染まない)と私は考えていて、そうした意見の者のひとりからすると、氏のこれらの作品群は、『海と夕焼』を除けば、短編としても熟していない気がする。泉鏡花、芥川龍之介、久生十蘭、日影丈吉諸氏の作品を読んでいればなおさら。だからかれ自身の解説には笑ってしまう、そして笑いながらかなしくもなる。前者はまだ幼くも感じられるかれの若々しさを感じるゆえに、後者はかれの最期を知ってしまっているゆえに。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年2月28日
読了日 : 2018年2月28日
本棚登録日 : 2017年9月30日

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