繋がれざる者が放つ、愛と復讐の弾丸。
黒人奴隷が売買される南部アメリカを舞台に繰り広げられる、西部劇映画。
主人公のガンマンは黒人であり名はジャンゴ。早撃ちの才覚の持ち主であり、メンターであるドクター・キング・シュルツと共にコンビを組み、賞金稼ぎとして数多の犯罪者を射殺していく。
ストーリーとしては主人公ジャンゴのサクセスストーリーであり、奴隷として売られた妻を救い出す、姫救出の定番の物語である。
ジャンゴは早撃ちの技量とクールな振る舞いがこの上なくカッコイイ。ヒーローらしく、標的を素早くしとめる技量に長けており、狙った箇所に百発百中。ガンマンの鑑とも言える存在だ。
ジャンゴの師匠、相棒として活躍するシュルツも知的かつ冷静で魅力的な人物である。だがこのタイプの映画故の宿命として、映画の途中で絶命してしまう。ジャンゴを成長、活躍させるため仕方が無いとは言え、少し残念だった。
ストーリーのバックグラウンドには当時の奴隷制度があり、差別用語や残酷な描写が無数にある。だが黒人差別と言うアメリカの歴史から目を逸らさずに映画を作ったことは、非常に評価できる。
世界観、テーマは共に黒人の奴隷制度、差別を描くこと、また「自由」であることだ。だが西部劇としての面白さもしっかりと保っており、主人公たちは引き金を引くときは引き、手を挙げる時は挙げる。そのメリハリのつけ方が良かった。
映像は血の噴射が過剰だったが、命中が分かり易い点では評価できる。
台詞は偶にウィットに飛んだ台詞があるのが良い。紋切型の台詞はなく、説教臭い台詞もない。台詞ではなく、弾丸で態度を示す、クールでバッドアスなウェスタンヒーローの語り口だ。
西部劇らしいタイトルなので、昔の映画だと思っていたが、意外と最近の映画で驚いた。レトロなガン・アクションを楽しむには良い映画だ。
キャラクター:☆☆☆☆☆
ストーリー :☆☆☆☆☆
世界観 :☆☆☆☆☆
テーマ :☆☆☆☆☆
映像 :☆☆☆☆☆
台詞 :☆☆☆☆
- 感想投稿日 : 2015年9月28日
- 読了日 : 2015年9月28日
- 本棚登録日 : 2015年9月28日
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