今年、というより去年も含めて一番面白い短篇小説集でした。
人が罪を犯すに至る過程、事件が起こった背景を、加害者の人生を辿ったりしながら、時に冷酷に、時にユーモラスに描いています。
"私"という、作者を思わせる弁護士の述懐で11の事件がまとめられています。全体的にとても淡々とした落ち着いた文章です。
それでいて中には本格ミステリのような話もあったり、ピカレスク小説のような話もあったり。バラエティに富んでいます。
作者が実際に見聞きしたことが多く引用されていると思うのですが、娯楽として安心して読めるように書かれているのがすごいです。
私が好きなのは「ハリネズミ」と「正当防衛」です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
その他ミステリー
- 感想投稿日 : 2016年4月13日
- 読了日 : 2020年6月30日
- 本棚登録日 : 2016年4月13日
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