図書館の福袋本。
夫の死後に明らかになる愛人問題、相続問題、子供との溝。専業主婦として家庭という小さなサークルに居た敏子が、夫の死後、世間という大きなサークルの中で、いろいろな人と出会い、考え、刺激され、人として強くなっていく。
身勝手な夫に、身勝手な息子。
この親にして、この子ありの、そっくりな父子。
読んでて腹が立つわ、腹が立つわ。
まるで我が事のように、はらわたが煮えくり返りました(笑)。
そして、本妻の前で悲しみに暮れる愛人にも、その無神経さにムカムカ。
愛人は、何故そんなにも悲しみに浸れるのか。
それは、裏切られた立場じゃないから。
昭子の他にも愛人がいたら、昭子はそこまで悲しみに浸れただろうか。
やはり敏子のように、隆之に裏切られたと腹を立てるのではないのか?
なんとも身勝手な人々に、読んでて軽い疲れを覚えた。
どこにでもありそうな話を、つまらなく感じさせること無く、どんどん読み進めたくなる作品に書き上げた、桐野夏生の文章力。凄いの一言です!
読後、夫に。。。
死後、携帯に愛人から電話がかかってくることなんてないよね??と。
死を感じたら、愛人に「多分もう長くないと思うから、電話はしないでくれ」と伝えてから死ぬんだょ!と、思わず言ってしまった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ヒューマン
- 感想投稿日 : 2017年1月12日
- 読了日 : 2017年1月11日
- 本棚登録日 : 2016年12月25日
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