魂萌え !

著者 :
  • 毎日新聞社 (2005年4月21日発売)
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本棚登録 : 1007
感想 : 197
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図書館の福袋本。

夫の死後に明らかになる愛人問題、相続問題、子供との溝。専業主婦として家庭という小さなサークルに居た敏子が、夫の死後、世間という大きなサークルの中で、いろいろな人と出会い、考え、刺激され、人として強くなっていく。


身勝手な夫に、身勝手な息子。
この親にして、この子ありの、そっくりな父子。
読んでて腹が立つわ、腹が立つわ。
まるで我が事のように、はらわたが煮えくり返りました(笑)。

そして、本妻の前で悲しみに暮れる愛人にも、その無神経さにムカムカ。
愛人は、何故そんなにも悲しみに浸れるのか。
それは、裏切られた立場じゃないから。
昭子の他にも愛人がいたら、昭子はそこまで悲しみに浸れただろうか。
やはり敏子のように、隆之に裏切られたと腹を立てるのではないのか?

なんとも身勝手な人々に、読んでて軽い疲れを覚えた。

どこにでもありそうな話を、つまらなく感じさせること無く、どんどん読み進めたくなる作品に書き上げた、桐野夏生の文章力。凄いの一言です!

読後、夫に。。。
死後、携帯に愛人から電話がかかってくることなんてないよね??と。
死を感じたら、愛人に「多分もう長くないと思うから、電話はしないでくれ」と伝えてから死ぬんだょ!と、思わず言ってしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ヒューマン
感想投稿日 : 2017年1月12日
読了日 : 2017年1月11日
本棚登録日 : 2016年12月25日

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