「空飛ぶ馬」の続編ということで、購入。
北村薫さんの作品は、唐突に終わるように思う。
読者は、提示された謎が解かれても、それに関わった人たちにも、その先の人生があると知っているし、その人たちがどのように生きていくか、謎が解かれた時の心情がどうだったのか、とても気になる。
けれど、本作でも、その部分が描かれることはない。
お話はお終いだよ、と突き放されたような気持ちになり、読了後、少し寂しい。
けれど、よくよく考えてみれば、当たり前のことで、「わたし」以外の人生がどうなっていくのか、「わたし」以外がどのように感じたのかなんてことは分かる訳もない。
第三者である「わたし」にとっての事件は、謎が解かれた時点で終わっているのだ。
その辺りがとてもリアルで、ぞくぞくするほどの快感がある。
読了後、いつも寂しくなってしまうのに、まだ次に手を出してしまうのは、そんな快感がまた味わえると思ってしまうからなのだろうか。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年10月8日
- 読了日 : 2020年9月22日
- 本棚登録日 : 2020年9月22日
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