わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫 イ 1-3)

  • 早川書房 (2006年3月31日発売)
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本棚登録 : 1921
感想 : 186
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大好きなカズオ・イシグロ。
『日の名残り』を読んで以来、夢中になり順番に読んで来ました。
これで彼の物語で翻訳され本として出版されているものは全て読んだことになります。

『わたちが孤児だったころ』は正直、私にとっては難解で読み終えるまでの時間が1番かかった物語でした。
カズオ・イシグロの物語は全容がけっこう読み進めないと見えてこないという印象が強いですが、特に今回は本当に最後の最後まで良く分からず・・・
ただその分、残り十数ページで全てが繋がりはじめた時の快感は格別でした。
最後のページの最後の行を読み終えた瞬間、主人公が物語の中で見てきた風景や彼の子どもの頃の思い出が、まるで自分がかつて経験したかのように次々と思い出されて行くのには驚きました。
しばらく時を置いてからもう一度読んだら、また違う受け止めかたができそうな一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2017年12月9日
読了日 : 2017年12月8日
本棚登録日 : 2017年5月6日

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