井上靖の最晩年の長編小説である。この名作には既に多くの評価がなされているから私の愚考を重ねても無意味である。
架空の孔子の弟子の語りが中心となるこの作品は紛れもなく作者自身の孔子に対する思いを述べたものである。孔子という人物の事績が弟子の記録によって言語化されていることを考えるならば、この作品は紛れもなく昭和の論語といえるだろう。
一人の作家がたどりついた一つの境地を窺い知るためにもこの作品の価値はある。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文庫
- 感想投稿日 : 2018年7月29日
- 読了日 : 2018年7月29日
- 本棚登録日 : 2018年7月29日
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