◆ドトールと創業者の力強い歩みが見られる一冊。不良のたまり場として知られ、またコスト増を当然のように価格に反映し続ける喫茶業界への強い疑念から、彼は「一杯のコーヒーを通じて、人々に安らぎと活力を与える」ことに喫茶業の使命を見出す。カフェコロラドからドトール開業に至るのも、経済低迷によってお財布が冷え込んだお父様方などに対してこの使命を果たすためだったといえる。
◆この本を読むと、著者のような世代の人たちが若者の軟弱さを嘆くのもわかる気がする。事実、彼は生きるために働き、そこから自分が喫茶業をつうじて社会に果たすべき使命を見出した(とは言え、この手の批判には疑問を覚えるところもあるけれども)。そして、その理念を貫きながら経済変化へ対応してゆく。まさしく勝つか死ぬかだった。いまは、勝つか死ぬかの勝負にすら出れない若者も少なくないのではないかと思うと、なんともいえない気分になる。
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- 感想投稿日 : 2014年6月16日
- 読了日 : 2014年6月16日
- 本棚登録日 : 2014年6月16日
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