池上彰の宗教がわかれば世界が見える (文春新書 814)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年7月20日発売)
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 タイトルからは、様々な宗教の歴史・教義を知って世界的事件の背景を理解することが趣旨と思って
しまうが、実際には死生観に対する課題提起の印象が強い。2011年の東北大震災のすぐ後に執筆され
ているためだと思われる。
 仏教・キリスト教・イスラム教・神道の専門家や導師との対談から、各宗教の歴史・教義と現在の
課題を知ることができる。所々専門的な事柄が出てくるが、池上さんの適切な補足とページ内コラム
による解説が行われるため理解しやすい。出版時期の関係からISの脅威に対する解説は登場しないが、
スンニ派・シーア派の対立や、自爆テロを生む素地についての言及がある。
 この本だけで各宗教の全容を知ることは難しいが、より知ろうとするきっかけにはなると思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2015年5月6日
読了日 : 2015年5月6日
本棚登録日 : 2015年5月6日

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