きのうの神さま

著者 :
  • ポプラ社 (2009年4月16日発売)
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本棚登録 : 805
感想 : 182
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怪我人や病人が登場する短編が続いて、これはお医者さん系の話をまとめた短編集かと思ったら、僻地医療が題材の映画を作るために取材したエピソードが活かされてるとのこと。
つまり、この本は映画『ディア・ドクター』の副産物なのか。すごいなあ。光合成のついでに酸素をつくる植物みたいにすごい。

最初に載っていた短編、『1983年のほたる』についての感想を書いておく。
小学六年生だった「わたし」は村からバスに乗って学習塾に通っていて、バスの運転手が自分の思い出話をしていたら自転車と接触事故を起こしてしまう話だった。
バスの運転手のお姉さんが唐突に亡くなってしまったように、事故も突然起こる。よくないことはいつだって不意打ちだ。
幸い、自転車に乗っていたシゲちゃんは無事で、その後「わたし」は伊球磨学園に合格する。学習塾で憧れていた人とも親しくなった。そして、話は唐突に終わる。
その唐突さがよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 西川美和
感想投稿日 : 2022年8月8日
読了日 : 2022年8月6日
本棚登録日 : 2022年8月6日

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