キャベツ炒めに捧ぐ

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2011年9月1日発売)
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60歳超えのおばさま三人が働く総菜屋さん。
オーナーの江子さんは底抜けに明るいが、離婚した元夫に電話するのをやめられない。いつも厳しい口調の麻津子さんは未婚だけど煮え切らない関係のダーリンがいる。夫を亡くした郁子さんは働き出してまだ日が浅い。
60年以上生きていれば、誰にでも込み入った事情がある。人生はままならないものだということはじゅうぶんにわかっている。
若い男をからかってみたり、酒を飲んで発散してみたり、色んな事にやきもきしながらおばさまたちの生活は続く。

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おばさまたちが笑って泣いて、楽しそうに過ごしているのを読んでいたら、不思議な気分になった。たぶんおばさまたちの年齢が、自分の母親くらいだったからだと思う。
自分の母親も平日は朝から働き、休日は飲みに行ったり、たまに旅行に行ったりして楽しんでいる。60歳を過ぎても元気だ。
何歳になっても”友だちと遊ぶ”のは楽しいんだな、と母親を見ていて思う。いつまでも健康で、ずっと遊んでいてほしい。
ここ家のおばさまたちも楽しく長生きしてほしい。どうせ生きるなら楽しくあるべきなんだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 井上荒野
感想投稿日 : 2022年6月9日
読了日 : 2022年6月5日
本棚登録日 : 2022年6月5日

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