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惨劇は、明るい陽光のふり注ぐ夏の日の午後、大迫家に起こった。……庭木立の、赤いハンモックにまどろむ、刀研師秋浜泰邦の若々しい肉体に振りおろされた名刀「次吉」の白刃、その刀で胸を突いた母の死、それに続く、父の割腹。白日夢に似た三つの死は、大迫家を一挙に瓦解させ、残された異母兄弟三人は別々の人生を歩むことになったが……。美貌の母と妖刀「備前次吉」の魔力と、疑惑の花「ラベンダー」の芳潤な香りに魅かれて運命を狂わす三人の兄弟を描き、妖美華麗なロマンの世界を織りなす、俊英初の長編小説。第一回角川小説賞受賞作。
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カテゴリ:
幻想
- 感想投稿日 : 2009年2月25日
- 本棚登録日 : 2009年2月25日
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