(01)
酒池肉林というタイトルをそれほど煮詰めた内容ではない.サブタイトルに贅沢三昧とあるが,現代人が想定する贅沢とは異なり,その差異に対する見解はあまり説かれていない.
章立てには,階層に準拠しており,皇帝,貴族,商人の贅沢がそれぞれ紹介され,後二章では,宦官と知識人の例が引かれる.
エントロピーやブラックホールなど,大仰な隠喩も用いられており,贅沢エピソードの途方もなさ充当されるべき語彙が本書では探されているように思う.
食や性,あるいは他人の生命の消費としての殺戮について,原点にあったであろう生々しい表現が婉曲されており,そのような配慮がこのテーマに妥当であったか疑問は残る.
そのような贅沢のなかで,建築熱や庭園熱についてもわずかに触れられている.
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
comic
- 感想投稿日 : 2018年11月23日
- 読了日 : 2018年11月23日
- 本棚登録日 : 2018年4月17日
みんなの感想をみる