セールスドライバーが主役の運送会社(佐川?)で、左遷された主人公(なおパワハラ系)が、新しい事業を実現して大逆転する経済小説。調べたら、WOWOWでドラマ化もされていたんですね。
実際オーナー系運送会社で働いたらこんな感じかなぁ、というくらいのリアルな描写や職場にいそうなキャラ、大企業にありがちな派閥闘争や根回し、現役を退いた社主(やっぱ京都に住んでるのか!)と、飽きずに読ませる展開で、500ページ超の分量にもかかわらず、すぐに読了しました。
主人公のザ・昭和な感じの仕事人間ぶりも、その行動力や狡知とも言える交渉術を見ていると、最後にはほんの少し共感できるような気もしてきます。
しかし、本著の連載当時は20年近く前。お茶くみ系業務の女子社員、「殴るぞ」とすぐ言う上司(主人公ですが)やタバコを吸うシーンの多さ、長時間残業…。なんだか隔世の感がありますね。
一方、ストーリー展開や新事業のビジネスモデルについては、少しご都合主義的な印象を抱きました。ネットビジネスのサービスを色々かき集めて1社のビジネスモデルにまとめた結果、そりゃさすがにあり得ないのでは…というスーパービジネスができてしまった感。でも、これくらいじゃないと面白くないのかなぁ。
あと、事業の成功が見えてからの幸せっぽい場面描写が(悪い意味でなく)長いように感じました。これだけ長いとまだひと展開あるんじゃないかと逆に心配になりました(笑
著者の他の本も読んでみたくなる、筆力を感じた一冊でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ビジネス
- 感想投稿日 : 2020年3月17日
- 読了日 : 2020年3月17日
- 本棚登録日 : 2020年3月17日
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