サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

  • 河出書房新社 (2016年9月8日発売)
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人類史を総括する説明不要のメジャー本。
上下巻を読み通して感じたのは、あらためて、人類は凄いことを成し遂げてきた、ということ。

金融システム等、今となってはあって当たり前の世の中の仕組みも、本著を読んで「よく実現できたよなコレ…」とその難しさを認識できました。
それにしても、ヨーロッパのルネサンスから産業革命に至る流れは、それこそ物凄い幸運に恵まれていないととてもこんな展開にはならない「トゥルールート」のようにも感じました。
「一人じゃできないこと」を実現させるやり方として、会社だったり金融だったりが生まれ、果てはヨーロッパの覇権を実現した。
今となっては衝突の原因となっている宗教も、確かに過去は世界統一の流れを助けるものだった、というのも言われてみて納得です。

しかし、前に進む新しいことをするためには、最初に少し余裕がないといけないんだなと。目先の生存や食事にキュウキュウとしている状況では、そんな勇気はとても生まれない。
※自分の日常に照らしてみても、なんだか考えさせられます(笑

脇道ですが、最後に翻訳について触れると、最終章は「超ホモ・サピエンスの時代へ」という邦題。「超」は原語で何だったんだろう?と思って原題を調べてみたら「The End of Homo Sapiens」なるほど…。
訳者がこう訳した理由も何となく察しつつ、両方とも面白いなぁと感じました。

人類史を振り返った上で、今度は未来。ホモ・デウスも早く読んでいきたいところです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2021年2月20日
読了日 : 2021年2月20日
本棚登録日 : 2021年2月13日

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