外道クライマー

著者 :
  • 集英社インターナショナル (2016年3月25日発売)
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本棚登録 : 312
感想 : 42
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あぁ、これはバカ(最上級の誉め言葉)だ、と思いながら一気読みしました。
良くわからない専門用語がそのまんま残ってたり、描写がイマイチわからなかったり荒削りだったりしましたが、それを補って余りある勢い、熱さ、タフさ、純粋さ。粋だけど不器用だし損する生き方なのかもしれないけれど、それをわかっていて突き進む潔さ。「沢ヤ」ってなんて不思議な生き物なのか。
末尾の角幡氏の解説も「なるほど、そういうことか」と腑落ちする感覚でこれまた素晴らしい。登山行為が本来抱えている原罪、というくだりは考えさせられますし、なんでわざわざそんなコトするの?への答えがあります。

全編面白かったですが、特に印象に残っているのは第7章のヘビのくだり。極限状態とはこういうことか。本当は笑えない、我々の日常では文明で覆い隠されているベールが剥がれただけのシーンなのだけれど、不思議なユーモアがあってついつい笑ってしまいました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年7月22日
読了日 : 2016年7月22日
本棚登録日 : 2016年4月19日

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