さいはての彼女 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2013年2月25日発売)
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本棚登録 : 1459
感想 : 186
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原田マハによる女性と旅をテーマにした短編4編。
Kindle Unlimitedにて読了。

とても穏やかなトーンの短編集で、寝る前にゆったり1編読むのに向いているんじゃないかなと思います。
緩急が無い訳では全くないのですが、物語の激しさに1から10までのモノサシがあったとして、本著は2から7くらいと言うか。著者の作品はいくつか読んでいますが、本著は敢えて穏やかな筆致にしているように感じました。
「無線LAN飛んでますか?」に対して「ツルなら飛んでるんだけどねえ」と返すこののんびりさが、本著を象徴しているような。

各短編の主人公たち、この旅をきっかけに劇的に人生が変わるかと言うと、別にそういう訳ではない。
ただ、それぞれが「さいはて」の地へ旅する中で、何かを見つけて少しだけ変わったのかもしれません。
「さいはて」は地理的な果ての場所もあれば、一人旅での高級旅館というハードルの高い場所、地理的にはホームながら心理的にアウェーな場所、など、色々バリエーションがあったような。

原田マハ作品、外れないなぁ。常に安定したクオリティなので、安心して読めます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年4月23日
読了日 : 2021年4月23日
本棚登録日 : 2021年4月23日

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