ツバメの谷

  • 岩波書店 (1995年7月1日発売)
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本棚登録 : 80
感想 : 9
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改めて読むとビミョーな作品だなあ…(おいおい)
私は本当に好きな作品郡なので文句はないんだけど、一歩はなれて見ると、ヤマがない。のです。小さなヤマ(丘陵くらいか・笑)はあるのだけど、起承転結の転がないというか、色味が薄い。起承承承承承承結ってかんじを受ける。
それでも好きなもんは好き!だし、いい作品だと思うのですけどね。

初めて読んだときはティティが好きだったけど、今読むとあまり…っていうか、ついていけない部分が多々。ある意味ジョンやスーザンより非常に子供的だといえるけど、ドリーム入りすぎだって(笑)ロジャが一番「らしい」かな。
最近は、昔好きではなかったスーザンに共感を持つようになりました。ティティを一人でヤマネコ島に置いてきているのになかなか帰れなかった時、ティティとロジャが丘陵からキャンプに先に帰っていなかった時、海に出てしまった時…。長女ってこういう想いだったんだろうなあと。性格もあるだろうけど。私は長女だが下の子なのでそういうとこがずっとわからなかったんだよね。今?ダンナという名目のおこちゃまができたので、ちょっとはわかるようになったのよ!(笑)

それにしても、みんなおかあさんが大好きですね。アマゾン海賊はちょっとわかりづらいけど、探検家たちはおとうさんも大好きですね。
私だって好きだけどさ、自分がもう子供ではなくなってしまったせいもあってこんなにストレートじゃないから、見ていてほほえましいな。
この作品では、最後にツバメ号がベックフットの岬で勝つのがすごく印象的だったのだけど、今回はその後のおかあさんとの会話が印象的でしたね。

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「三十年たって、わたしがあなた方のところへとまりにきたら…」
「あかあさんをどこへもやるもんですか。」
「とまりにくるってことはありませんよ。いかせやしませんから。おかあさんはいっしょにくらすにきまってるんです。」
─────────────

老後の心配も、兄弟のうちで誰が親の面倒を見るかとかいういざこざも、ここにはないに違いありません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Ransome
感想投稿日 : 2010年1月19日
読了日 : 2004年10月1日
本棚登録日 : 2004年10月1日

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