昭和初期の話。「モダン」って、単語としては「現代的」「近代的」っていう意味にもかかわらず、日本人の手にかかるとその本来の意味に関わらず大正昭和期の「現代的」なものになるという不思議(笑)
「カフェ」が今で言うカフェ(喫茶店)ではなく、キャバレークラブだというのが罠。エロシーンを細かく描写したりはしてないけど、妙にエロチックな感じがしてしまうのは時代が昭和初期だからなのか。別にエロでもグロでもないけど、読む人はそういうのが嫌いでない人のほうが良いかもしれません。
内容は、これまたレトロ感あふれる(?)内容。毒の種類とか…いや、書き方(名称)の問題かな?昇汞なんて使わないよね。塩化水銀のことらしいのですが。今ではあんまり聞かない毒物ですね。
タイトルにあるように、検死を元に推理をしていくというのがおおまかな流れ。思ったよりこの時代の検死技術は発達していたようで、わりといろいろなことがわかるようです。それが決め手になったり、逆に惑わされたりするというのは面白かった。
しっかし、男も女も、夜の世界は変わらんね(笑)現在をよく知らないので、たぶん、だけど…
それにしても、小鳩ちゃんはかわいそうだったなあ、いろいろと。
思ったんだけど、主人公(吟作)って検屍官ちゃうやん。そして、検屍官を描いた作品てわけじゃないやん。 とかいうツッコミはしちゃいかんのかいな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
か行
- 感想投稿日 : 2010年1月18日
- 読了日 : 2003年8月28日
- 本棚登録日 : 2003年8月28日
みんなの感想をみる