再生巨流 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2007年11月28日発売)
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抜群の営業成績をあげ、さらに顧客を伸ばそうと次々と新しいプランを立ち上げてきた運送会社に勤める主人公。実績からすると昇格しても良いはずなのに程よく窓際部署へ追いやられる。そこは新規事業開発室で能無しの呼び声高い部下がひとり、さらに年間4億円を稼ぎだす新規事業を立ち上げろというノルマ付き。折り合いの悪い上司の仕業ということに気づきつつもなんとしてもノルマを達成しようと知恵を絞る。
そんな中、目をつけたのがオフィスへの文具宅配の分野。ある一社が頭抜けているが、あるものを開発し、業界では常識のサービスをやめることで大幅コスト削減ができることを売りに業界下位に甘んじている会社へアプローチ、さらに一般消費者向けへのサービスも描き、十分にビジネスとして採算が取れると思った矢先、上司にプランを潰される。
そこで禁じ手を繰り出し、正式に会社からGOが出たところで、ある社員から提案を受けさらに大きなプロジェクトとして成長させる。
仕事が好きで世の中のためになることを常に考えているサラリーマンの奮闘記。

最初に思ったのはよくこんなビジネス思いついたなということ。まぁ、最初にこのビジネス有りきで周辺環境などを調整して行ったのだと思うが、それが現実とズレがなくてリアリティがある。
主人公の人となりは好きではないが、彼の描くビジネスには非常に引き込まれる。
もう少し能無し部下の成長過程やその他のメンバーたちのエピソードがあっても良かったのかなとも思ったが、あっさり触れる程度でプロジェクトの進行にフォーカスしたほうがやはり良かったのかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年6月2日
読了日 : 2020年6月2日
本棚登録日 : 2020年6月2日

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