『メッセージ』がひとつの大きな山場となっていたので、4冊目で一応魚住と久留米がまともにくっついて、5冊目でその山を乗り越えた事で新たに表面化してしまった傷を、今度は押し込めるのではなく、きちんと乗り越えていこうという未来。
マリちゃんの番外編や恋愛、就職した荏原さん、日本にとどまる濱田の思いなど、最後まで本当にいろいろあって、苦しかったりもするけれど、太一の見た八年後の魚住の笑顔と、「そして今日もどこかで、物語は続いているのだ」という最後の一文に、それぞれの未来が明るいことを信じさせてくれる。
全5冊でここまで触れていいのかというような考えさせる内容がこれでもかと詰まっているシリーズって凄い。
今までも本を読むことで少なからずいろんなことを考えて、それによって考え方や見方がちょっと変わったり、何かの答えのようなものを思いつくようなこともあったけれど、このシリーズにはそれが息もつかせぬ勢いで迫ってくる。
押し込めるのではなく乗り越えるっていうのは、わかっていてもなかなか難しいことだとは思うけれど。でも、何か「苦しい」と思ったことがあるなら、これを読んで何某か思うところはあるはず。
やっぱり上製本で復刊してるみたいだから買おうかなあ…。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年6月30日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年6月30日
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