シンセミア 4 (朝日文庫 あ 39-4)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2006年11月1日発売)
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本棚登録 : 310
感想 : 29
3

 全4巻の最終巻をようやく読了。長かったが、あらためて振り返ると、これは間隔をあけずに一気読みした方がよかったかなと思った。

 閉塞感のある地方の町「神町」を舞台に、膨大な登場人物たちが交差し合い、これまでの怨念がぶつかり合って、とうとう怒濤のようなクライマックスを迎える。最初から最後まで、どこからどこまでが伏線で、結末がどこに向かうのか予想できないまま読み終わったが、とりあえずこれはこれで幕引きができたのかな。過去からの因縁と陰謀が渦巻く、現代の地方都市に暮らす人々の心の「闇」には十分引き込まれた。他の神町サーガ作品にも手を伸ばしてみたい気になった。
 ただ、最後まで残された謎の真相を、探偵役でもない人物が現れて滔々と種明かししていく部分だけは、手抜きじゃないかと感じた。

 あと、本文とは関係ないが、ラストシーンのネタばらしを解説で平然と書いていたので唖然とした。「ビックリした」と感想も中学生並みだし、とんでもない解説者だ。朝日文庫版を読む人は要注意。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学・評論
感想投稿日 : 2011年9月2日
読了日 : 2011年9月1日
本棚登録日 : 2011年9月2日

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