全4巻の最終巻をようやく読了。長かったが、あらためて振り返ると、これは間隔をあけずに一気読みした方がよかったかなと思った。
閉塞感のある地方の町「神町」を舞台に、膨大な登場人物たちが交差し合い、これまでの怨念がぶつかり合って、とうとう怒濤のようなクライマックスを迎える。最初から最後まで、どこからどこまでが伏線で、結末がどこに向かうのか予想できないまま読み終わったが、とりあえずこれはこれで幕引きができたのかな。過去からの因縁と陰謀が渦巻く、現代の地方都市に暮らす人々の心の「闇」には十分引き込まれた。他の神町サーガ作品にも手を伸ばしてみたい気になった。
ただ、最後まで残された謎の真相を、探偵役でもない人物が現れて滔々と種明かししていく部分だけは、手抜きじゃないかと感じた。
あと、本文とは関係ないが、ラストシーンのネタばらしを解説で平然と書いていたので唖然とした。「ビックリした」と感想も中学生並みだし、とんでもない解説者だ。朝日文庫版を読む人は要注意。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学・評論
- 感想投稿日 : 2011年9月2日
- 読了日 : 2011年9月1日
- 本棚登録日 : 2011年9月2日
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